ご案内
妊婦・乳幼児の健康診断情報は母子手帳に記載されているが、成人期以降の健康管理は健康保険法や労働安全衛生法、老人保健法など多様な制度に基づき、縦割りで行われている。
しかも、すべて紙媒体で管理されているので情報を統合し難く、サラリーマンが退職して別の制度に移るような場合、そこで健康情報が途絶し、過去の情報が活用できないなどの問題が生じている。
そこで、健康情報を電子媒体で保存することによって、制度を超えた情報の連携あるいは制度そのものの連携が可能になる。
健康診断などの情報を電子媒体で保存するとともに、個人の情報保護を担保した上で異なる制度聞の情報交換を図ることによって、制度聞の共通性、連続性が確保され、個人の生涯にわたる健康守つくりを総合的に支援することが、情報の上で可能になるわけである。
さらに、保健事業の主体(保健所等)と医療機関(病院)がネットワークを通じて情報を共有することにより、過去の健診情報を診察の場で活用したり、生活習慣病の予防に活用したりできる。
逆に医療機関の医療情報を保健事業主体が個人の生涯にわたり一貫して活用できるようになり、医療の現場と保健事業主体の両方から、個人の健康状態の評価や健康εつくり支援が容易になる。
具体的な取り組みとして、一つは「地域職域健康管理総合化モデル事業」を二OO一年度予算で推進した。
これは地域、職域で相互活用が可能な総合的健診情報管理システムを開発し、データベース化するとともに、地域並びに職域の健診情報を相互化したいわゆる地域健診を行い、より適切な保健事業を実施するというものである。
もう一つは、衛星放送やケーブルテレビ、インターネットなどを通じた「遠隔集団健康教育」によって個人の健康づくりを支援することが、データを共有することで可能になる。
個人が自分で測定できる健康指標や生活習慣に関する情報を、インターネット等を通じて専門家に送り意見を求めるという、双方向性のある「遠隔個別健康教育」の発展も期待できる。
今、厚生労働省は、社会的レベルで生活習慣病をなくしていこうという「健康日本幻」運動を進めている。
これは、都道府県や保健所、市町村が調査デ−タを収集・分析して各区域の健康上、政策上の課題を確認し、それらの情報を住民に提供する。
国は地方が集めたそれらのデ−タを収集・分析・評価し、例えば各地域に国全体の中での位置付けなどの情報をフィードバックするというもの。
要介護認定は全国一律の基準に基づいており、高度な情報技術の利用が不可欠である。
国民健康保険団体連合会で請求情報を審査し、支払うかどうか決める際に必要な請求情報の照合などは、当然のことながらすべてコンピューター処理されている。
ケアプランの作成は多くの場合、民間で開発されたプログラムを利用しており、介護サ−ピスの実施記録や介護用品の購入などについても情報システムの活用が進んでいる。
いってみれば、パソコンに個人の情報を入れてやると、いつ何を買ったらいいかを教えてくれる仕組みである。
それから、社会福祉医療事業団が運営する福祉保健医療情報ネットワークシステム帳システムと連携している。
各事業所のサービスなどの個別情報は各事業者が書き込めるようになっており、利用しやすいリアルタイム情報が提供されている。
これらの情報化を支援する取り組みとして、二OO二年度には介護保険広域化支援事業が実施されている。
市町村合併や広域連合は自治体の財政基盤やサービス提供基盤の強化に役立つが、そのための事務処理システム標準化などの経費を補助するなどの取り組みである。
高齢者のITケアネットワーク支援事業というものもある。
これは、俳佃する高齢者の保護・緊急通報・安全確認システムなど、IT活用の余地の大きいシステムの構築を支援する取り組みである。
医療機関(病院)や指定訪問看護事業所からの訪問看護とか居宅介護支援など、福祉サービスにITネットワークや移動端末が活用されている。
一人暮らしの障害者の遠隔モニタリングや救急時の呼び出しシステムなどで、IT支援が極めて重要な役割を果たしている。
医薬品・医薬材料については、医療機関は副作用の報告や治験などで医薬品行政とかかわりがある。
や感染症、不具合情報などを、所定の電子フォーマットを使って整理・分析することが容易になる。
ることが望ましいし、効率的である。
治験の被験者の割り付けも情報システムを活用することでより正確かつ効率的になる。
被験者の割り付けというのは、薬の副作用をチェックする場合に何人かの治験者を、特性をみながら組み合わせるが、統計的に間違いのない組み合わせが必要とされるため、情報システムの活用が有用である。
医療・健康づくり支援サービスに、薬には添付文書が付けられることが多いが、医薬品総合情報ネットワークが構築されれば、より効率的な情報提供が可能になる。
以上の医薬品コ−ドがばらばらに付けられている。
医薬品の情報化を進める上では、それらの医薬品コードを統一し、標準化することが不可欠である。
ける「物」と「情報」の流れを把握し、効率的な物流を実現しようという「医薬材料の物流サプライチェーン構想」というものがある。
これは四段階で考えられており、第一段階は上記の医薬材料商品のコ−ドの標準化、第二段階が医薬材料のデータベース構築、第三段階が同バーコード化、第四段階が電子商取引の推進である。
医薬材料の分野でこうした情報化・電子化の効果が確認されれば、医薬品や福祉器具などより広い範囲への適用も考えられている。
医療機関・医師・匿療サービスの内容の評価質の良い医療を生活者に効率的に提供していくためには、医療の質に関する情報が医療の受け手である患者や一般社会に分かりゃすい形で提供される必要がある。
そのためには医療機関などの自己評価とともに第三者による外部評価の充実が求められる。
自己評価については厚生労働省が関係団体と合同で「病院機能評価マニュアル」を作成し普及を図ってきた。
第三者による病院評価については、一九九五年に財団法人日本医療機能評価機構(館龍一郎理事長)が設立され、最初二年間、運用調査期間ということで方法論の検討や実証実験を行った後、九七年から事業を開始。
評価結果として認定された病院名を公表してきた。
この事業について国は、例えば評価調査者(サーベイヤ−) の養成費や評価項目の検討にかかわる諸経費、開発経費を補助してきた。
さらに二OO二年四月からは、改善された新評価項目で審査を開始し、二OO三年九月からは病院名だけでなく評価結果の中身についてもホームベージで公表することになった。
二OO二年二月現在、全病院数九二三九のうち七九七病院がこの機構で評価を受けているが、今後さらにその数が増えることが期待される。
二OO三年の第四次医療法改正、および同年四月の医療機関の広告規制緩和によって、評価を受けた受審病院がそのことを広告できるようになった。
つまり審査機構で評価を受けたことを広告して病院ビジネスの発展につなげようということである。
厚生労働省は受審病院を二OO六年度末までに二OOO病院にしたいと考えている。
ところが現在、国立病院は二一%、私立大学病院は四%しか受審していない。
これらの病院はわが国の政策医療や先端医療を支える重要な役割を果たしている。
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